イワタイゲキ Euphorbia jolkinii (トウダイグサ科 トウダイグサ属
 イワタイゲキは、本州の関東地方南部以南から琉球、台湾、朝鮮南部に分布する多年草。茎は高さ30センチ以上になり、太く、やや厚い肉質の葉を互生する。植物体を傷つけると、白色の乳液を分泌する。花期は初夏で、トウダイグサ科に特徴的な杯状花序をつける。海岸の崖地に生え、島嶼部のものほど大型になるらしい。また、地下茎が発達するらしく、これが岩の割れ目を深く伸びているそうである。
 画像は香川県小豆島の海岸で撮影した。風化の激しい花崗岩の露岩地で、岩の割れ目に食い込むように生育していた。当地のような潮風の当たる露岩地で、しかも、年間降水量1,000ミリ以下の極乾燥地域では、よほどの耐乾能力が無ければ生育できないはずである。トウダイグサ科の多くは、本種のように崖地などの劣悪な立地環境に生育している種が多い。もしかすると、この能力には、植物体内を流れる白い乳液状の物質に、何か関係があるのかもしれない。
イワタイゲキイワタイゲキの葉
イワタイゲキの花茎を切断すると白い乳液を分泌する
 
文章・画像:森定 伸
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