JP6497808B2 - 1,4−ベンゾチアジン−1,3−ジオン又は−1,1,3−トリオン誘導体およびこれを有効成分とする殺菌剤 - Google Patents

1,4−ベンゾチアジン−1,3−ジオン又は−1,1,3−トリオン誘導体およびこれを有効成分とする殺菌剤 Download PDF

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Description

本発明は、1,4−ベンゾチアジン−1,3−ジオン又は−1,1,3−トリオン誘導体およびこれを有効成分として含有する殺菌剤に関する。
農園芸分野では、各種病原菌の防除を目的とした様々な殺菌剤が開発され、実用に供されている。
しかしながら、従来汎用されている農薬は、その効果や、スペクトル、残効性等、更には、施用回数や、施用薬量の低減等の要求を必ずしも満足しているとは言えない。加えて、従来汎用の農薬に対して抵抗性を発達させた病原菌の出現も問題となっている。例えば、野菜や、果樹、花卉、茶、ムギ類およびイネ等の栽培において、例えば、トリアゾール系、イミダゾール系、ピリミジン系、ベンズイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、フェニルアミド系、ストロビルリン系等の様々な型の殺菌剤等に抵抗性を発達させた種々の病原菌が各地で出現しており、これらの抵抗性病原菌の防除が年々困難になっている。従って、従来汎用の農園芸用殺菌剤に抵抗性を発達させた各種病原菌に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、しかも環境への悪影響が小さい、新規な農薬の出現が常に望まれている。
これらの要望に応えるための新しい殺菌剤が種々提案されているが、必ずしも、上記要望に応えるものではない。
特許文献1には、殺菌活性を有する以下の構造を有するベンゾチアジン誘導体が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の化合物(2−5)は、ベンゾチアジン-3−オン環を有するものであり、1,4−ベンゾチアジン−1,3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン環を有するものではない。
Figure 0006497808
(特許文献1、化合物2−5)
特許文献2は、以下の構造式で示されるような、ベンゾチアジン環の2-位に置換ベンゼンを有する化合物を開示している。また、特許文献2には、ベンゾチアジン環の4-位にヘテロ環が直接結合した化合物は記載されていない。さらに、特許文献2には、これら化合物が殺菌活性を有することは記載されていない。
Figure 0006497808
(特許文献2、殺虫活性)
非特許文献1には、1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン環を有する化合物が開示されているが、4位に複素環が結合した誘導体は記載されていない。また、非特許文献1には、医薬活性に関する記述はあるが、殺菌活性については記載されていない。
Figure 0006497808
(非特許文献1、医薬)
特開2014-221747号公報 国際公開第1999/50257号公報
Bioorganic & Medicinal Chemistry 8 (2000) 393−404
本発明は、各種菌類の防除に有用な新しい物質を提供すること、特に、従来の殺菌剤に対して抵抗性を示す各種菌類に対しても高い防除効果を示し、更に、低薬量で効果を奏し、従って、残留毒性や環境汚染等の問題が軽減された安全性の高い物質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の式で規定される1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン誘導体が、上記要望に応え得る特性を有する化合物であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、下式[I]、
Figure 0006497808
(式中、Rは水素原子またはC1〜C6のアルキル基を示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のアルキルチオ基、C1〜C6のアルキルスルフィニル基、C1〜C6のアルキルスルホニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アシル基、カルボキシル基(等)を示し、Yは、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基(等)を示し、mは0〜4の整数を示し、nは0〜6の整数を示し、pは1又は2を示す。)で表される1,4−ベンゾチアジン−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン誘導体(以下、「本発明の化合物」とも言う)およびこれを有効成分として含有する殺菌剤に関するものである。
本発明の化合物は各種菌類に対して優れた効果を示す。
本発明の別の態様としては、下式[I]
Figure 0006497808
で表される1,4−ベンゾチアジン−ベンゾチアジン−1,3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン誘導体があり、式中、
Rは水素原子またはC1〜C6アルキル基を表し、
Xは、同一又は異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;C1〜C6アルコキシ基;アシル基;カルボキシル基;シアノ基;アシルオキシ基;ニトロ基;C1〜C6アルキルチオ基;C1〜C6アルキルスルフィニル基;C1〜C6アルキルスルホニル基;ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC1〜C6アルキル基;ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC2〜C6アルケニル基;ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC2〜C6アルキニル基;ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基及び同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基又はアシル基で置換されてよいアミノ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜5個の置換基で置換されてよいアリール基;ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基及びC1〜C6アルコキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜6個の置換基で置換されてよいヘテロアリール基;又は同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基若しくはアシル基で置換されてよいアミノ基を表し、
Yは、同一、もしくは異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基及び水酸基からなる群から選ばれる置換基を表し、
mは、0〜4の整数を表し、
nは、0〜6の整数を表し、
pは、1あるいは2を表す
で表される化合物である。
本発明において、「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好適には、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり、より好適には、フッ素原子又は塩素原子であり、最も好適には、フッ素原子である。
本発明において、「C1〜C6アルキル基」は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、へキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基のような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、好適には、炭素数1〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C1〜C5アルキル基)であり、より好適には、炭素数3〜4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基(C3〜C4アルキル基)であり、さらに好適には、プロピル基、イソブチル基又はt−ブチル基である。
本発明において、「C2〜C6アルケニル基」は直鎖又は分枝鎖状のいずれであってもよく、1以上の任意の個数の二重結合を含むことができる。例えば、ビニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、アリル基、イソプロペニル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、3−メチルブタ−2−エン−1−イル基、3−メチルブタ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−2−エン−1−イル基、ヘキサ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、4−メチルペンタ−3−エン−1−イル基などを例示することができる。
本発明において、「C2〜C6アルキニル基」は直鎖又は分枝鎖状のいずれであってもよく、1以上の任意の個数の三重結合を含むことができる。例えば、エチニル基、プロパ−1−イン−1−イル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、1−メチルプロパ−2−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基などを例示することができる。
本発明において、「C1〜C6アルコキシ基」は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−エチルプロポキシ基、へキシルオキシ基、(4−メチルペンチル)オキシ基、(3−メチルペンチル)オキシ基、(2−メチルペンチル)オキシ基、(1−メチルペンチル)オキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基のような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基(C1〜C4アルコキシ基)であり、より好適には、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基であり、更により好適には、メトキシ基又はエトキシ基であり、最も好適には、メトキシ基である。
本発明において、「C1〜C6アルキルチオ基」は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソピルチオ基、ブチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、3,3−ジメチルブチルチオ基、2−エチルブチルチオ基のような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基であり、より好適には、メチルチオ基である。
本発明において、「C1〜C6アルキルスルフィニル基」は、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、イソペンチルスルフィニル基、ネオペンチルスルフィニル基、3,3−ジメチルブチルスルフィニル基、2−エチルブチルスルフィニル基のような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルフィニル基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルフィニル基であり、より好適には、メチルスルフィニル基である。
本発明において、「C1〜C6アルキルスルホニル基」は、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、3,3−ジメチルブチルスルホニル基、2−エチルブチルスルホニル基のような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基であり、より好適には、メチルスルホニル基である。
本発明において、C1〜C6アルキル基がC1〜C6アルコキシ基で置換される場合の「C1〜C6アルコキシ基で置換されたC1〜C6アルキル基」は、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、2−メトキシ−2−メチルプロピル基、2−メトキシ−1−メチルエチル基、2−メトキシ−2−メチルエチル、エトキシメチル基のような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖C1〜C6アルコキシ基で置換されたC1〜C6アルキル基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖C1〜C4アルコキシ基で置換されたC1〜C4アルキル基であり、より好適には、メトキシメチル基である。なお、「C1〜C6アルコキシ基で置換されたC1〜C6アルキル基」は、任意にハロゲンで置換されてもよい。
本発明において、C1〜C6アルキル基がC1〜C6アルキルチオ基で置換される場合の「C1〜C6アルキルチオ基で置換されたC1〜C6アルキル基」は、例えば、メチルチオメチル基、メチルチオエチル基、2−メチルチオ−2−メチルプロピル基、2−メチルチオ−1−メチルエチル基、エチルチオ−2−メチルエチルのような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖C1〜C6アルキルチオ基で置換されたC1〜C6アルキル基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖C1〜C4アルキルチオ基で置換されたC1〜C4アルキル基であり、より好適には、メチルチオメチル基である。
本発明において、C1〜C6アルキル基がC1〜C6アルキルスルフィニル基で置換される場合の「C1〜C6アルキルスルフィニル基で置換されたC1〜C6アルキル基」、例えば、メチルスルフィニルメチル基、メチルスルフィニルエチル基、2−メチルスルフィニル−2−メチルプロピル基、2−メチルスルフィニル−1−メチルエチル基、エチルスルフィニル−2−メチルエチルのような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖C1〜C6−アルキルスルフィニル基で置換されたC1〜C6アルキル基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖C1〜C4アルキルスルフィニル基で置換されたC1〜C4アルキル基であり、より好適には、メチルスルフィニルメチル基である。
本発明において、C1〜C6アルキル基がC1〜C6アルキルスルホニル基で置換される場合の「C1〜C6アルキルスルホニル基で置換されたC1〜C6アルキル基」、例えば、メチルスルホニルメチル基、メチルスルホニルエチル基、2−メチルスルホニル−2−メチルプロピル基、2−メチルスルホニル−1−メチルエチル基、エチルスルホニル−2−メチルエチルのような炭素数1〜6個の直鎖又は分枝鎖C1〜C6アルキルスルホニル基で置換されたC1〜C6アルキル基であり、好適には、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖C1〜C4アルキルスルホニル基で置換されたC1〜C4アルキル基であり、より好適には、メチルスルホニルメチル基である。
本発明において、「アリール基」は、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、アセナフチレニル基などを例示することができる。
本発明において、「ヘテロアリール基」は、単環性又は多環性のいずれであってもよく、1個又は2個以上の同一又は異なる環構成ヘテロ原子を含むヘテロアリール基を用いることができる。ヘテロ原子の種類は特に限定されないが、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などを例示することができる。ヘテロアリール基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ジヒドロイソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、アゼピニル基、オキサゼピニル基などの5〜7員の単環式ヘテロアリール基が挙げられる。ヘテロアリールアルキル基を構成する多環性ヘテロアリール基としては、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、プリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、アクリジニル基、2−アクリジニル、3−アクリジニル、4−アクリジニル、9−アクリジニル、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、フェナジニル基などの8〜14員の多環性ヘテロアリール基が挙げられる。
本発明において、「アラルキル基」としては、前記「C1〜C6アルキル基」の1つ又は2つ以上の水素原子が前記「アリール基」で置換された基が挙げられる。例えば、ベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェナントレニルメチル基、アセナフチレニルメチル基、ジフェニルメチル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、1−(1−ナフチル)エチル基、1−(2−ナフチル)エチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル基、3−フェニルプロピル基、3−(1−ナフチル)プロピル基、3−(2−ナフチル)プロピル基、4−フェニルブチル基、4−(1−ナフチル)ブチル基、4−(2−ナフチル)ブチル基、5−フェニルペンチル基、5−(1−ナフチル)ペンチル基、5−(2−ナフチル)ペンチル基、6−フェニルヘキシル基、6−(1−ナフチル)ヘキシル基、6−(2−ナフチル)ヘキシルなどを例示することができる。
本発明において、C1〜C6アルキル基がハロゲン原子で置換される場合の「ハロゲン原子で置換されたC1〜C6アルキル基」は、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨ−ドメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−ブロモエチル基、2−クロロエチル基、2−フルオロエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、3−フルオロ−2−メチルプロピル基、3,3,3−トリフルオロ−2−メチルプロピル基、6,6,6−トリクロロヘキシル基のような同一若しくは異なった1〜3個の前記「ハロゲン原子」により置換された前記「C1〜C6アルキル基」であり、好適には、同一若しくは異なった1〜3個の前記「ハロゲン原子」により置換された前記「C1〜C4アルキル基」であり、より好適には、同一若しくは異なった1〜3個の「フッ素原子又は塩素原子」により置換された前記「C1〜C3アルキル基」であり、更により好適には、クロロメチル基又はトリフルオロメチル基であり、特に好適には、トリフルオロメチル基である。
本発明において、「同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基で置換されてよいアミノ基」は、アミノ基の他に、同一若しくは異なった1〜2個の前記「C1〜C6アルキル基」が置換したアミノ基であり、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などを例示することができる。
本発明において、「アシル基」は、例えば、ホルミル基、前記「C1〜C6アルキル基」が結合したカルボニル基(C2〜C7アルキルカルボニル基)、前記「C2〜C6アルケニル基」が結合したカルボニル基(C3〜C7アルケニルカルボニル基)、前記「アリール基」が結合したカルボニル基(「アリールカルボニル基」)、前記「C1〜C6アルコキシ基」が結合したカルボニル基(C2〜C7アルコキシカルボニル基)又は前記「同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基で置換されてよいアミノ基」が結合したカルボニル基(C2〜C7アルキルアミノカルボニル基)であり、好適には、炭素数2〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキルカルボニル基(C2〜C5アルキルカルボニルオキシ基)、炭素数2〜7個のアルコキシカルボニル基(C2〜C7アルコキシカルボニル基)であり、より好適には、アセチル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である。
本発明において、「アシルオキシ基」は、例えば、ホルミルオキシ基、前記「C1〜C6アルキル基」が結合したカルボニルオキシ基(C2〜C7アルキルカルボニルオキシ基)、前記「C2〜C6アルケニル基」が結合したカルボニルオキシ基(C3〜C7アルケニルカルボニルオキシ基)、前記「アリール基」が結合したカルボニルオキシ基(「アリールカルボニルオキシ基」)、前記「C1〜C6アルコキシオキシ基」が結合したカルボニルオキシ基(C2〜C7アルコキシカルボニルオキシ基)又は前記「同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基で置換されてよいアミノ基」が結合したカルボニルオキシ基(アミノカルボニルオキシ基、C2〜C7アルキルアミノカルボニルオキシ基、ジ(C2〜C7アルキル)アミノカルボニルオキシ基)であり、好適には、炭素数2〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキルカルボニルオキシ基(C2〜C5アルキルカルボニルオキシ基)、炭素数2〜7個のアルキルアミノカルボニルオキシ基(C2〜C7アルキエルアミノカルボニルオキシ基)であり、より好適には、アセトキシ基である。
本発明において、「ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC1〜C6アルキル基」は、前記したC1〜C6アルキル基の他に、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基のように水酸基によって置換されたC1〜C6アルキル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基などのフェノキシ基により置換されたC1〜C6アルキル基等を含み、また、2−メトキシ−1−クロロメチル基、3−フェノキシ−2−ブロモ−2−メトキシプロピル基など、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる2種以上の置換基により置換されたC1〜C6アルキル基も含む。
本発明において、「ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC2〜C6アルケニル基」は、前記したC2〜C6アルケニル基の他、3−クロロアリル基、4−ブロモ−2−ブテニル基などの同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されたC2〜C6アルケニル基、3−メトキシ−2−プロペニル基、4−エトキシ−3−ブテニル基などの同一若しくは異なった1〜3個のC1〜C6アルコキシ基により置換されたC2〜C6アルケニル基、1−フェニルビニル基、スチリル基、シンナミル基などのフェニル基により置換されたC2〜C6アルケニル基、3−フェノキシ−2−ブテニル基などのフェノキシ基により置換されたC2〜C6アルケニル基、及び4−メトキシ−3−クロロ−2−ブテニル基など、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる2種以上の置換基により置換されたC2〜C6アルケニル基も含む。
本発明において、「ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC2〜C6アルキニル基」は、前記したC2〜C6アルキニル基の他、3−クロロ−2−プロピニル基、4−ブロモ−2−ブチニル基などの同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されたC2〜C6アルキニル基、3−メトキシ−2−プロピニル基、4−エトキシ−3−ブチニル基などの同一若しくは異なった1〜3個のC1〜C6アルコキシ基により置換されたC2〜C6アルキニル基、3−フェノキシ−2−ブチニル基などのフェノキシ基により置換されたC2〜C6アルキニル基、及び4−メトキシ−4−クロロ−2−ブチニル基など、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる2種以上の置換基により置換されたC2〜C6アルキニル基も含む。
本発明において、「ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基及び同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基又はアシル基で置換されてよいアミノ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜5個の置換基で置換されてよいアリール基」は、前記したアリール基の他、同一若しくは異なった1〜5個のハロゲン原子で置換されたアリール基、同一若しくは異なった1〜5個の、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基で置換されたアリール基、同一若しくは異なった1〜5個のC1〜C6アルコキシ基により置換されたアリール基、1〜5個のニトロ基で置換されたアリール基、1〜5個のシアノ基で置換されたアリール基、1〜5個の水酸基で置換されたアリール基や、ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基及び同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基又はアシル基で置換されてよいアミノ基からなる群から選ばれる2種以上の置換基により置換されたアリール基も含む。
本発明において、「ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基及び同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基又はアシル基で置換されてよいアミノ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜6個の置換基で置換されてよいアラルキル基」は、前記したアラルキル基の他、同一若しくは異なった1〜6個のハロゲン原子で置換されたアラルキル基、同一若しくは異なった1〜6個の、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基で置換されたアラルキル基、同一若しくは異なった1〜6個のC1〜C6アルコキシ基により置換されたアラルキル基、1〜6個のニトロ基で置換されたアラルキル基、1〜6個のシアノ基で置換されたアラルキル基、1〜6個の水酸基で置換されたアラルキル基や、ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基及び同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基又はアシル基で置換されてよいアミノ基からなる群から選ばれる2種以上の置換基により置換されたアラルキル基も含む。アラルキル基が置換基を有する場合、当該置換基はアラルキル基を構成するアリール環上又はアルキル基上のいずれか又は両方に置換していてもよい。
Rは、好ましくは、水素原子またはC1〜C6のアルキル基を示す。
Xはベンゾチアジン環上の置換可能な任意の位置に1個ないし4個置換することができ、Xが2個以上存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子;水酸基;C1〜C6アルコキシ基;アシル基;カルボキシル基;シアノ基;アシルオキシ基;ニトロ基;C1〜C6アルキルチオ基;ハロゲン原子、水酸基及びC1〜C6アルキルチオ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC1〜C6アルキル基;ハロゲン原子、水酸基及びC1〜C6アルキルチオ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC2〜C6アルケニル基;ハロゲン原子、水酸基及びC1〜C6アルキルチオ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜3個の置換基で置換されてよいC2〜C6アルキニル基;ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、水酸基及び同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基又はアシル基で置換されてよいアミノ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜6個の置換基で置換されてよいアリール基;又はハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基及びC1〜C6アルコキシ基からなる群から選ばれる同一若しくは異なった1〜6個の置換基で置換されてよいヘテロアリール基;同一若しくは異なった1〜2個のC1〜C6アルキル基若しくはアシル基で置換されてよいアミノ基を示す。
Yはキノリン環上の置換可能な任意の位置に1個ないし6個置換することができ、Yが2個以上存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
pは、1あるいは2を表す。
本発明の化合物[I]において、ある一態様では、
(1)Rは水素原子またはC1〜C6のアルキル基あり、更により好適には、プロピル基、イソブチル基、又はt−ブチル基であり、
(2)(X)mは、好適には、Xが、水素原子、ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、又はC1〜C6アルコキシ基であり、mが、0〜2であり、より好適には、Xが、水素原子又はフッ素原子であり、mが、0、1又は2であり、
(3)(Y)nは、好適には、Yが、水素原子、ハロゲン原子、同一若しくは異なった1〜3個のハロゲン原子で置換されてよいC1〜C6アルキル基、又はC1〜C6アルコキシ基であり、nが、0〜2であり、より好適には、Yが、水素原子又はフッ素原子であり、nが、0、1又は2であり、
(4)pは、1あるいは2を表す。
本発明の化合物(I)は、例えば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩の様な塩にすることができる。それらの塩は、農園芸用の殺菌剤として使用できる限り、本発明に包含される。
本発明化合物(I)及びその塩は溶媒和物にすることができ、それら溶媒和物も、本発明に包含される。そのような溶媒和物は、好適には、水和物である。
本発明化合物(I)中には、不斉炭素及び不斉硫黄を有する化合物もあり、その場合には、本発明は、一種の光学活性体及び数種の光学活性体の任意の割合の混合物をも包含する。
上記1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオンは下記の製造することができる。
Figure 0006497808
上式中、R、X、m、Y、n、pは、前記と同意義を示す。
工程Aは、化合物[II]を、官能基変換し、本発明化合物[I]を製造する工程である。
本工程Aにおける酸化反応は、通常酸化反応として知られている方法を用いることができ、例えば、ハロゲン原子からシアノ基、ハロゲン原子からアミノ基、ハロゲン原子からアルコキシ基、ハロゲン原子からアルキルチオ基、ヒドロキシル基からアシルオキシ基、アミノ基からアシルアミド基、アミノ基からジアゾニウム塩を経てハロゲン原子、アミノ基からジアゾニウム塩を経てシアノ基、アミノ基からジアゾニウム塩を経てヒドロキシル基、ニトロ基からアミノ基、カルボキシル基からアルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基からカルボキシル基、シアノ基からカルボキシル基、シアノ基からカルバモイル基、カルバモイル基からシアノ基、クロロアルキル基又はブロモアルキル基からアルコキシアルキル基、クロロアルキル基又はブロモアルキル基からアルキルチオアルキル基、アルキルチオ基からアルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、アシル基からヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基からアシル基又はカルボキシル基、ハロゲン原子からアルケニル基、ハロゲン原子からアルキニル基、ハロゲン原子からアリール基、ハロゲン原子からヘテロアリール基などである得る。
本工程は、例えば、日本化学会編、実験化学講座第15巻から第26巻、有機合成(1976)、丸善、東京に準じて行うことができる。
上記工程Aの出発原料である化合物[II]は下記工程Bで製造することができる。
上記各反応終了後、各反応の目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取することができる。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。
得られた目的化合物は、必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
反応に使用される酸化剤としては、過酸化水素水溶液、m-クロロ過安息香酸、過酢酸、過安息香酸、モノペルオキシフタル酸マグネシウム、ペルオキシ一硫酸カリウム等を挙げることができる。さらに好適にはm-クロロ過安息香酸である。
酸化剤は、通常1当量〜10当量用いられ、好適には1当量〜2当量である。
反応に使用される溶媒は、本反応を阻害しない限り特に限定は無いが、例えば、水、ギ酸、酢酸等のプロトン性極性溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1, 2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲンハロゲン化炭化水素類を挙げることができる。さらに好適にはジクロロメタンまたは1, 2−ジクロロエタンである。
用いられる酸化剤の量は、化合物[II]1モルに対し、通常、1〜10モルであり、好適には、1〜3モルである。
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒などにより異なるが、通常、−20℃〜100℃であり、好適には、−10℃〜30℃である。
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度などにより異なるが、通常、1〜24時間であり、好適には、1〜8時間である。
目的化合物は、それを含む反応系から常法により容易に単離することができ、例えば、再結晶化や、カラムクロマトグラフィー等で精製などにより目的化合物を調製することができる。
上記工程Aの出発原料であるベンゾチアジン−2−オン(化合物[II])は特開2014−221747号公報の請求範囲に含まれるが、実施例にはない。また公知の方法、例えば、Bioorganic & Medicinal Chemistry 8 (2000) 393−404項、あるいはIL Farmaco 53(1998) 752-757項、に記載された方法に準じて製造することができる。
Figure 0006497808
上式中、R、X、m、Y、nは、前記と同意義を示す。
工程Bは一般式[III]で表される1,4−ベンゾチアジン−3オンと、一般式[IV]で表されるキノリン誘導体を反応させて合成中間体[II]を製造する方法である。
Figure 0006497808
式中、Rは、前記と定義を表し、L1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、OSO2CF3基又はB(OH)を示す。
工程Bは、化合物[III]を、溶媒中あるいは非溶媒中、金属触媒の存在下、塩基の存在下あるいは非存在下、化合物[IV]と反応することにより、中間体[II]を製造する工程である。
本工程で溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジブチルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒又はこれらの混合溶媒であり得、好適には、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶類であり、更に好適には、N−メチルピロリドン(NMP)又はジメチルスホキシド(DMSO)である。
本工程で用いられる金属触媒は、通常のカップリング反応に使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、ニッケル、パラジウム、銅、クロムなどの金属塩、又は金属錯体であり得、好適にはテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム、又はヨウ化銅である。
本工程で用いられる金属触媒の量は、化合物[III]1モルに対し、通常、0.001〜2モルであり、好適には、0.1〜0.5モルである。
本工程で塩基を用いる場合、用いられる塩基は、通常の反応において塩基として使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムのようなアルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機塩基類であり得、好適には、アルカリ金属炭酸塩、有機塩基類、又はアルカリ金属水酸化物であり、更に好適には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミン、又は水酸化ナトリウムである。
用いられる塩基の量は、化合物[III]1モルに対し、通常、1〜6モルであり、好適には、1.1〜3モルである。
反応温度は、原料化合物、反応試薬及び溶媒などにより異なるが、通常、50℃〜300℃であり、好適には、80℃〜250℃である。
反応時間は、原料化合物、反応試薬、溶媒及び反応温度などにより異なるが、通常、15分間〜120時間であり、好適には、30分間〜10時間である。
目的化合物は、それを含む反応系から常法により容易に単離することができ、例えば、再結晶化や、カラムクロマトグラフィー等で精製などにより目的化合物を調製することができる。
本発明の1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン誘導体はこれ以外の殺菌活性を有する少なくとも1種以上の化合物と混合又は併用することができる。そのようにして得られた混合物は幅広い活性スペクトルを有する。
本発明の1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン誘導体と混合又は併用できる殺菌剤(一般名)の例を以下に示すが、混合又は併用できる殺菌剤は必ずしもこれに限定されるものではない。
すなわち具体的な殺菌活性を有する化合物として、
核酸合成を阻害する殺菌剤として例えば、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシルM(benalaxyl M)、フララキシル(furalaxyl)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシルM(metalaxyl M)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフラセ(ofurace)、ブピリメート(bupirimate)、ジメチリモール(dimethirimol)、エチリモール(ethirimol)、ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyioxazole)、ヒメキサゾール(hymexazol)、オクチリノン、オキソリニック酸(oxolinic acid)など
有糸核分裂と細胞分裂を阻害する剤として例えば、ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネート(thiophanate)、チオファネートメチル(thiophanate−methyl)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ゾキサミド(zoxamide)、ザリラミド(zarilamid)、エタボキサム(ethaboxam)、ペンシクロン(pencycuron)、フルオピコリド(fluopicolide)など
呼吸を阻害する殺菌剤として例えば、ジフルメトリム(diflumetorim)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、フェナザキン(fenazaquin)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、ピリミジフェン(pyrimidifene)、ロテン(rotenone)ベノダニル(benodanil)、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、イソフェタミド(isofetamid)、フルオピラム(fluopyram)、フェンフラム(fenfuram)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ビキサフェン(bixafen)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、ペンフルフェン(penflufen)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、セダキサン(sedaxane)、ボスカリド(boscalid)、ピラジフルミド(pyraziflumid)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)、エノキサストロビン(enoxastrobin)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)、トリクロピリカルブ(triclopyricarb)、クレソキシムメチル(kresoxim−methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、フェナミンストロビン、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリザストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェナミドン(fenamidone)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、シアゾファミド(cyazofamid)、アミスルブロム(amisulbrom)、ビナパクリル(binapacryl)、メプチルジノカップ(meptyldinocap)、ジノカップ(dinocap)、フルアジナム(fluazinam)、シルチオファム(silthiopham)、アメトクトラジン(ametoctradin)、テブフロキン(tebfloquin)など
アミノ酸およびタンパク質合成を阻害する殺菌剤として例えば、アンドプリム(andoprim)、シプロジニル(cyprodinil)、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ブラストサイジンS(blasticidin S)、カスガマイシン(kasugamycin)、ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)、ミルディオマイシン(mildiomycin)など
シグナル伝達を阻害する殺菌剤として例えば、キノキシフェン(quinoxyfen)、プロキナジド(proquinazid)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil)、クロゾリネート(chlozolinate)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)など
脂質および細胞膜合成を阻害する殺菌剤として例えば、エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)、ピラゾホス(pyrazophos)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、ビフェニル(biphenyl)、クロロネブ(chloroneb)、キントゼン(quintozene)、テクナゼン、トルクロホスメチル(tolclofos−methyl)、エクロメゾール(echlomezole)、ヨードカルブ、プロパモカルブ(propamocarb)、プロチオカルブなど
細胞膜のステロール生合成を阻害する殺菌剤として例えば、トリホリン(triforine)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリソキサゾール、フェナリモル(fenarimol)、ヌアリモル(nuarimol)、イマザリル(imazalil)、オキスポコナゾール(oxpoconazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizole)、アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルオトリマゾール(fluotrimazole)、フルコナゾール(furconazole)、フルトリアホール(flutriafol)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metaconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリチコナゾール(triticonazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ユニコナゾールP(uniconazole−P)、ブチオベート(buthiobate)、ジクロブトラゾール(diclobutrazol)、アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、ピペラリン(piperalin)、スピロキサミン(spiroxamine)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、フェンピラザミン(fenpyrazamine)、ナフチフィン、テルビナフィン(terbinafine)など
細胞壁生合成を阻害する殺菌剤として例えば、バリダマイシン(validamycin)、ポリオキシン(polyoxin)、ジメトモルフ(dimetomorph)、フルモルフ(flumorph)、ピリモルフ(pyrimorph)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、バリェナレート(valifenalate)、マンジプロパミド(mandipropamid)など
細胞壁のメラニン合成を阻害する殺菌剤として例えば、フサライド(fthalide)、ピロキロン(pyroquilon)、トリシクラゾール(tricyclazole)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)など
宿主植物の抵抗性を誘導する殺菌剤として例えば、プロベナゾール(probenazole)、チアジニル(thiadinil)、イソチアニル(isotianil)、ラミナリン(laminarin)、オオイタドリ抽出液(extract from giant knotweed)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar−S−methyl)など
多作用点を阻害する殺菌剤として例えば、銅(copper)、DBEDC(complex of bis(ethylenediamine)copper−bis−(dodecylbenzenesulfonic acid))、水酸化第二銅(copper hydroxide)、ノニルフェノールスルホン酸銅(copper nonylphenol sulfonate)、塩基性塩化銅(copper oxychloride)、塩基性硫酸銅(basic copper sulfate)、有機銅(oxine−copper)、硫黄(sulfur)、石灰硫黄合剤(calcium polysulfide)、銀(silver)、D−D(1,3−dichloropropene)、ダゾメット(dazomet)、臭化メチル(methyl bromide)、メチルイソチオシアネート(methylisothiocyanate)、カーバム(metam−ammonium)、マンゼブ(mancozeb)、マンネブ(maneb)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チウラム(thiram)、硫酸亜鉛(zinc sulfate)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)、キャプタン(captan)、カプタホール(captafol)、ホルペット(folpet)、クロロタロニル(chlorothalonil)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、グアザチン(guazatine)、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine acetate)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine−DBS)、トリアジン(anilazine)、ジチアノン(dithianon)、キノメチオネート(chinomethionat)、フルオルイミド(fluoroimide)、ダイセンステンレス(dithane−stainless)など
その他の殺菌剤として例えば、シモキサニル(cymoxanil)、ホセチル(fosetyl)、亜リン酸(phosphorous acid)、亜リン酸塩(phosphite)、テクロフタラム(tecloftalam)、トリアゾキシド(triazoxid)、フルスルファミド(flusulfamide)、ジクロメジン(diclomezine)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、メトラフェノン(metrafenone)、ピリオフェノン(pyriofenone)、ドジン(dodine)、フルチアニル(flutianil)、フェリムゾン(ferimzone)、オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)、トルクロカルブ(tolprocarb)、ピカルブトラゾックス(picarbutrazox)、WO2005081174、 WO2011811742、マシン油(petroleum oil)、有機油(organic oil)、炭酸水素カリウム(potassium hydrogen carbonate)、炭酸水素ナトリウム(sodium hydrogen carbonate)、次亜塩素酸ナトリウム(sodium hypochlorite)、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、ベンチアゾール(benthiazole)、ジクロブトラゾール(diclobutrazol)、フルメットーバー(flumetover)、チアジアジン(thiadiazin)、ジクロン(dichlone)、有機錫(organo−tin)、シイタケ菌糸体抽出物(extract from mushroom)、下式で示される化合物、
Figure 0006497808
(ここで、R1,R2,R3およびR4は水素原子、ハロゲン原子、C13アルキル基、XおよびYは水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基を表す。)
下式で示される化合物
Figure 0006497808
(ここで、R1とR2は水素原子、ハロゲン原子、メチル基、XおよびYは水素原子、ハロゲン原子、メチル基を表す。)
例えば、下式
Figure 0006497808
などが挙げられる。
本発明は、農作物、例えば食用作物(稲、大麦、小麦、ライ麦、オート麦等の麦類、馬鈴薯、甘藷、里芋、やまのいも等の芋類、大豆、小豆、そら豆、えんどう豆、いんげん豆、落花生等の豆類、とうもろこし、粟、そば等)、野菜(キャベツ、白菜、大根、蕪、ブロッコリー、カリフラワー、こまつな等のアブラナ科作物、かぼちゃ、きゅうり、すいか、まくわうり、メロン、ズッキーニ、ゆうがお、にがうり等のウリ科作物、なす、トマト、ピーマン、とうがらし、ししとうなどのナス科作物、おくら等のアオイ科作物、ほうれんそう、ふだんそう等のアカザ科作物、にんじん、みつば、パセリ、セルリー、うど等のセリ科作物、レタス、ごぼうなどのキク科作物、にんにく、たまねぎ、ねぎ、にら、らっきょう等のねぎ類、アスパラガス、しそ、れんこん等)、きのこ類(しいたけ、マッシュルーム等)、果樹・果実類(柑橘類、林檎、梨、桃、梅、桜桃、李、杏、葡萄、柿、枇杷、無花果、あけび、ブルーベリー、ラズベリー、パイナップル、マンゴー、キウイフルーツ、バナナ、いちご、オリーブ、胡桃、栗、アーモンド等)、香料等鑑賞用作物(ラベンダー、ローズマリー、タイム、セージ、胡椒、生姜等)、特用作物(たばこ、茶、甜菜、さとうきび、いぐさ、ごま、こんにゃく、ホップ、綿、麻、オリーブ、ゴム、コーヒー、なたね、ひまわり、桑等)、牧草・飼料用作物(チモシー、クローバー、アルファルファ等の豆科牧草、とうもろこし、ソルガム類、オーチャードグラス等のイネ科牧草等)、芝類(高麗芝、ベントグラス等)、林木(トドマツ類、エゾマツ類、松類、ヒバ、杉、桧等)や鑑賞用植物(きく、ばら、カーネーション、ゆり、トルコギキョウ、宿根かすみそう、スターチス、蘭等の草本・花卉類、いちょう、さくら類、あおき等の庭木等)などの場面で使用される。
対象とする病害としては、植物寄生性の糸状菌、細菌および放線菌類が挙げられ、具体的には、稲のいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、内穎褐変病(Pantoea ananatis)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、苗立枯病(Pythium graminicolum)、褐条病(Acidovorax avene subsp. avenae)、葉鞘褐変病(Pseudomonas fuscovaginae)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)、立枯細菌病(Burkholderia plantarii)等;麦類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia striiformis, P.graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp. , Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、網斑病(Pyrenophora teres)、ひょうもん病(Helminthosporium zonatum Ikata)、黒節病(Pseudomonas syringae pv. japonica)等;かんきつ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum)、褐色腐敗病(Phytophthora citrophthora,, P. nicotianae)、黒星病(Phyllostictina citricarpa)等;りんごのモニリア病(Monilinia mali)、褐斑病(Diplocarpon mali)、腐らん病(Valsa mali)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、黒点病(Mycospherella pomi)、炭そ病(Colletotrichum acutatum、Glomerella cingulata)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena)等;なしの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、うどんこ病(Phyllactinia mali)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、灰星病(Monilinia fructigena)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)等;おうとうの灰星病(Monilinia fructicola)、炭疽病(Glomerella cingulata)、幼果菌核病(Monilinia kusanoi)等;ももの灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp. )、せん孔細菌病(Xanthomonas campestris pv. pruni)等;ぶどうの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Colletotrichum acutatum、Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola)、黒星病(Cladosporium viticolum)、根頭がんしゅ細菌病(Agrobacterium vitis)等;かきの炭そ病(Gloeosporium kaki)、うどんこ病(Phyllactinia kakicola)、落葉病(Cercospora kaki, Mycoshaerella nawae)、キウイフルーツの角斑病(Phomopsis sp.)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum acutatum)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、びわの褐斑病(Phyllosticta eriobotryae)、角斑病(Pseudocercospora eriobotryae)等;うり類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea, Oidiopsis taurica)、つる枯病(Didymella bryoniae)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp. )、苗立枯病(Pythium sp.、Rhizoctonia solani )等;きゅうりの斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. lochrymans)、縁枯細菌病(Pseudomonas viridiflava)、褐斑細菌病(Xanthomonas campestris pv. cucurbitae)等;メロンの褐斑細菌病(Xanthomonas campestris pv. cucurbitae)、毛根病(Agrobacterium rhizogens)、がんしゅ病(Streptomyces sp.)等;すいかの果実汚斑細菌病(Acidovorax avenae pv. citrulli)等;なす科野菜の青枯病(Ralstonia solanacearum)等;トマトの輪紋病(Alternaria solani)、
葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)、すすかび病(Pseudocercospora fuligena)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、かいよう病(Clavibacter michiganense subsp. michiganense)、茎えそ病(Pseudomonas corrugata)、軟腐病(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum)等;なすの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii)、黒枯病(Corynespora melongenae)、褐色円星病(Paracercospora egenula)、褐色腐敗病(Phytophthora capsici)、半身萎凋病(Verticillium dahliae)等;アブラナ科野菜のべと病(Peronospora parasitica)、黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae) 軟腐病(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum)、黄化病(Verticillium dahliae)等;きゃべつの腐敗病(Pseudomonas syringae pv. marginalis)、黒腐病(Xanthomonas campestris pv. campestris)等;レタスのべと病(Bremia lactucae)すそ枯病(Rhizoctonia solani)、腐敗病(Pseudomonas cichorii、Pseudomonas viridiflava)、斑点細菌病(Xanthomonas campestris pv. vitians)、ネギのべと病(Peronospora destructor)、黒斑病(Alternaria porri)、さび病(Puccinia allii)、白絹病(Sclerotium rolfsii)等;だいずの紫斑病(Cercospora kikuchii)、炭疽病(Colletotrichum truncatum 、Colletotrichum trifolii、Glomerella glycines、Gloeosporium sp.)、べと病(Peronospora manshurica)、茎疫病(Phytophthora sojae)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、斑点細菌病(Pseudomonas savastanoi pv. glycinea)、葉焼病(Xanthomonas campestris pv. glycines)等;いんげんまめの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)、かさ枯病(Pseudomonas savastanoi pv. phaseolicola)、葉焼病(Xanthomonas campestris pv. phaseoli)、葉腐病(Rhizoctonia solani)等;らっかせいの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)等;えんどうまめのうどんこ病(Erysiphe pisi)等;ばれいしょの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、葉腐病菌(Rhizoctonia solani)、軟腐病(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum)等;いちごのうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum actatum、 Glomerella cingulata)、疫病(Phytophthora nicotianae)、輪斑病(Dendrophoma obscurans)、芽枯細菌病(Pseudomonas marginalis pv. marginalis)等;茶の褐色円星病(Pseudocercospora theae)、炭疽病(Discula theae−sinensis)、輪斑病(Pestalotiopsis theae、Pestalotiopsis longiseta)、網もち病(Exobasidium reticulatum)、もち病(Exobasidium vexans)、白星病(Elsinoe leucospila)、赤焼病(Pseudomonas syringae pv. theae)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv. theicola)等;たばこの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae)、立枯病(Ralstonia solanacearum)、空洞病(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum)等;てんさいの褐斑病(Cercospora beticola)、根腐病(Rhizoctonia solani、Thanatephorus cucumeris)、苗立枯れ病(Aphanomyces cochliodes)等;ばらの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)等;きくの褐斑病(Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)等;なす、きゅうりおよびレタス等の各種作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum) ;芝類の雪腐病(Pythium iwayamai, Tyohula incarnate, Fusarium nivale, Sclerotinia borealis)、うどんこ病(Erysiphe graminis)、ファリーリング病(Lycoperdon perlatum, Lepista subnudo, Marasmius oreades)、擬似葉腐病(Ceratobasidium spp.)、立枯病(Gaemannomyces graminis)、カーブラリア葉枯病(Curvularia geniculata)、葉腐病(Rhizoctonia solani)、ピシウム病(Pythium periplocum, Pythium vanterpoolii)、さび病(Puccinia spp.)、ダラースポット病(Sclerotinia homoeocarpa)等;ベントグラスの赤焼病(Pythium aphanidermatum)、炭そ病(Colletotrichum sp.)、
あかしあ類のさめ肌胴枯病(Botryosphaeria sp.)、炭疽病(Glomerella cingulata)、あじさいの輪紋病(Phoma exigua)、斑点病(Phyllosticta hydrangeae)、褐斑病(Corynespora cassiicola)、葉腐病(Rhizoctonia solani)、うどんこ病(Oidium sp.)、炭疽病(Glomerella cingulata)、輪斑病(Cercospora hydorangeae)、いちょうのすす斑病(Gonatobotryum apiculatum)、赤衣病(Erythricium salmonicolor)、かいどうの赤星病(Gymnosporangium yamadae)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、かえで類の黒紋病(Rhytisma acerinum)、環紋葉枯病(Cristulariella moricola)、胴枯病(Diaporthe sp.)、すすかび斑点病(Cercospora sp.)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides)、赤衣病(Erythricium salmonicolor)、うどんこ病(Uncinula sp.、Sawadaea sp.、Oidium sp.)、かし類の白斑病(Phomatospora albomaculans)、うどんこ病(Uncinula sp.、Microsphaera alphitoides、Erysiphe gracilis)、からまつのならたけ病(Armillaria mellea)、腐心病(Phaeolus schweinitzii)、かんば類の褐斑病(Septoria chinensis)、胴枯病(Diaporthe melanocarpa、Diaporthe alleghaniensis)、くすのきの炭疽病(Glomerella cingulata)、くちなしのすすかび病(Passalora okinawaensis)、斑点病(Phaeosphaerella gardeniae)、けやきの褐斑病(Pseudocercospora zelkovae)、ならたけ病(Armillaria mellea )、こぶしの裏うどんこ病(Phyllactinia magnoliae)、斑点病(Phyllosticta concentrica)、さくら類のがんしゅ病(Nectria galligena)、根頭がんしゅ病(Agrobacterium tumefaciens)、うどんこ病(Podosphaera longiseta、Podosphaera tridactyla)、てんぐ巣病(Taphrina wiesneri)、幼果菌核病(Monilinia kasanoi)、ならたけ病(Armillaria mellea)、胴枯病(Valsa ambiens)、ざくろのそうか病(Sphaceloma punicae)、さるすべりのうどんこ病(Uncinuliella australiana)、褐斑病(Pseudocercospora lythracearum)、環紋葉枯病(Cristulariella moricola)、さんざし類のすすかび病(Pseudocercospora crataegi)、しいのき類の白斑病(Bagcheea albo−maculans)、葉ぶくれ病(Taphrina kusanoi)、しゃくなげ類の炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides)、葉斑病(Pseudocercospora handelii)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、すぎの枝枯菌核病(Sclerotium sp.)、赤枯病(Cercospora sequoiae)、微粒菌核病(Macrophoma phaseolina)、そてつの赤葉枯病(Ascochyta sp.)、つつじ類のうどんこ病(Microsphaera izuensis)、褐斑病(Septoria azaleae)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、苗立枯病(Rhizoctonia solani)、葉斑病(Pseudocercospora handelii)、斑点病(Phyllosticta maxima)、花腐菌核病(Ovulinia azaleae)、てんぐ巣病(Exobasidium pentasporium)、つばきの根腐疫病(Phytophthora cinnamomi)、炭疽病(Glomerella cingulata)、にせあかしあのならたけ病(Armillariella mellea)、バラのうどんこ病(Sphaerotheca pannosa、Oidium sp.)、べと病(Peronospora sparsa)、斑点病(Cercospora rosicola、Mycosphaerella rosicola)、疫病(Phytophthora megasperma)、黒星病(Marssonina rosae、Diplocarpon rosae)、腐らん病(Cryptosporella umbrina)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、ひのきのならたけ病(Armillariella mellea)、ペスタロチア病(Pestalotiopsis sp.)、ふじのこぶ病(Erwinia herbicola pv. millettiae)、ポインセチアの根腐病(Rythium sp.)、ぼたんの疫病(Phytophthora cactorum)、うどんこ病(Erysiphe paeoniae)、芽枯病(Alternaria sp.)、炭疽病(Gloeosporium sp.)、褐斑病(Pseudocercospora variicolor)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、立枯病(Botrytis paeoniae)、白紋羽病(Rosellinia necatrix)、まさきのうどんこ病(Oidium euonymi−japonici)、褐斑病(Pseudocercospora destructiva)、まつ類のこぶ病(Cronartium quercuum)、苗立枯病(Rhizoctonia solani, Fusarium sp., Pythium sp,, )、葉枯病(Pseudocercospora pini−densiflorae)、まてばしいの裏黒点病(Coccoidea querricola)、みずき類のうどんこ病(Microsphaera pulchra)、斑点病(Pseudocercospora cornicola)、やなぎ類のマルゾニナ落葉病(Marssonina brunnea)、ユーカリ類の角斑病(Cercospora epicoccoides)、ゆきやなぎのすすかび病(Pseudocercospora spiraeicola)、うどんこ病(Sphaerotheca spiraeae)、ライラックのうどんこ病(Microsphaera syringae−japonicae)、枝枯菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、アサガオのつる割病(Fusarium oxysporum f. sp. batatas)、カーネーションのうどんこ病(Oidium dianthi)、ガーベラのうどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、炭疽病(Colletotrichum sp.)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、きくの萎凋病(Fusarium oxysporum)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、半身萎凋病(Verticillium dahliae)、フザリウム立枯病(Fusarium solani)、金魚草の炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides)、うどんこ病(Oidium subgenus Reticuloidium)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、コスモスの炭疽病(Colletotrichum acutatum、Gloeosporium sp.)、うどんこ病(Sphaerotheca fusca)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、宿根かすみそうのうどんこ病(Oidium sp.)、立枯病(Fusarium moniliforme)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、スイトピーのうどんこ病(Oidium sp.)、萎凋病(Fusarium sp.)、半身萎凋病(Verticillium dahliae)、炭疽病(Glomerella cingulata、Colletotrichum gloeosporioides)、スターチスの炭疽病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Oidium sp.)、ストックの萎凋病(Fusarium oxysporum Schlechtendahl : Fries f. sp. conglutinans)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum higginsianum)、立枯病(Fusarium avenaceum)、半身萎凋病(Verticillium dahliae)、トルコギキョウの炭疽病(Colletotrichum acutatum)、茎腐病(Fusarium avenaceum)、うどんこ病(Oidium sp.)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、ひまわりのうどんこ病(Sphaerotheca fusca、Erysiphe cichoracearum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、褐斑病(Septoria helianthi)、半身萎凋病(Verticillium dahliae)、ペチュニアのうどんこ病(Sphaerotheca fuliginea、Oidium sp.)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、マリーゴールドの半身萎凋病(Verticillium dahliae)等
が挙げられるが、限ずしもここに記載した菌類に限定されるものではない。
本発明の化合物は、各種の剤形で使用することができる。これらの剤形とするためには、適宜、農園芸用殺菌剤の技術分野において従来より使用されている各種の農薬補助剤を使用することができる。農園芸用殺菌剤の剤形としては、例えば、乳剤や、水和剤、顆粒水和剤、水溶剤、液剤、粉剤、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、細粒剤、粒剤、錠剤、油剤、噴霧剤、煙霧剤等である。勿論、本発明の化合物を、1種又は2種以上組合せて、有効成分として配合することもできる。
このような農薬補助剤は、例えば、農園芸用殺菌剤の効果の向上、安定化、分散性の向上等の目的で使用することができる。農薬補助剤としては、例えば、坦体(希釈剤)や、展着剤、乳化剤、湿展剤、分散剤、崩壊剤等が挙げられる。液体坦体としては、水や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、ブタノール、グリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、メチルナフタレン、シクロヘキサン、動植物油、脂肪酸等を挙げることができる。また、固体坦体としては、クレーや、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、炭酸カルシウム、モンモリナイト、ベントナイト、長石、石英、アルミナ、鋸屑、ニトロセルロース、デンプン、アラビアゴム等を用いることができる。
乳化剤や、分散剤としては、通常の界面活性剤を使用することが出来、例えば、高級アルコール硫酸ナトリウムや、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ラウリルベタイン等の陰イオン系界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤等を用いることが出来る。また、展着剤;ジアルキルスルホサクシネート等の湿展剤;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の固着剤;リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の崩壊剤等を用いることが出来る。
農園芸用殺菌剤における有効成分としての本発明の化合物の含有量は、例えば、0.01〜99.5質量%であり、好ましくは、0.5〜90質量%の範囲から選ばれ、製剤形態、施用方法等の種々の条件により適宜決定すればよいが、例えば、粉剤では、約0.5〜20質量%程度、好ましくは、1〜10質量%、水和剤では、約1〜90質量%程度、好ましくは、10〜80質量%、乳剤では、約1〜90質量%程度、好ましくは、10〜40質量%の有効成分を含有するように製造できる。
例えば、乳剤の場合、有効成分である本発明の化合物に対して、溶剤及び界面活性剤を混合して原液の乳剤を製造することが出来、更に、この原液を使用に際して所定濃度まで水で希釈して施用することが出来る。水和剤の場合、有効成分の本発明の化合物、固形担体、及び界面活性剤を混合して原液を製造し、更に、この原液を使用に際して所定濃度まで水で希釈して施用することが出来る。粉剤の場合、有効成分である本発明の化合物、固形担体等を混合して、そのまま施用することが出来、粒剤の場合には、有効成分としての本発明の化合物、固形担体、及び界面活性剤等を混合して造粒することにより製造し、そのまま施用することが出来る。もっとも、上記の各製剤形態の製造方法は上記のものに限定されることはなく、有効成分の種類や施用目的等に応じて当業者が適宜選択することができるものである。
農園芸用殺菌剤には、有効成分である本発明の化合物以外に、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物生育調整剤、肥料、土壌改良剤等の任意の有効成分を配合してもよい。本発明の化合物からなる殺菌剤の施用方法は特に限定されるものではなく、茎葉散布、土壌処理、施設内でのくん煙、くん茎等のいずれの方法でも施用することが出来る。例えば、茎葉散布の場合、例えば、5〜1000ppm、好ましくは、10〜500ppmの濃度範囲の溶液を、10アール当たり、例えば、50〜700リットル程度の施用量で用いることが出来る。土壌処理の場合、5〜1000ppmの濃度範囲の溶液を1m2当たり、0.1〜1リットル程度の施用量で用いることが出来る。
以下、本発明について、更に、実施例、製剤例及び試験例を使用して、詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例、製剤例及び試験例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1> 2−(ブタン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−1λ4,4−(キノリン−3−イル)−2H−1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン(化合物No. A−153)及び2−(ブタン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1λ6,4−(キノリン−3−イル)−2H−1,4−ベンゾチアジン−1, 1, 3−トリオン(化合物No. A−154)の合成
<工程1> 2-ブロモ−3−メチルペンタ酸 エチルの合成
Figure 0006497808
US6417399の方法を参考に合成した。
イソロイシン(10.6g、80.3mmol)を6Nの臭化水素酸80 mLに溶解し、氷冷下で亜硝酸ナトリウム5.58gを水16 mLに溶解した水溶液を7℃以下で滴下した。室温で一夜撹拌した後酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル層を10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、水、さらに飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し無色の液体10.1g(70%)を得た。生成物は生成せずに次の反応に用いた。得た2-ブロモ−3−メチルペンタ酸(11.1g、55.4mmol)をエタノール60mLに溶解し、濃硫酸0.7 mLを加えて8時間加熱還流した。放冷後、減圧下で約20 mLまで濃縮し、氷水を加えた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、さらに飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し無色の液体10.0g(81%)を得た。生成物は生成せずに次の反応に用いた。
<工程2> 2−(ブタン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの合成
Figure 0006497808
Bioorganic & Medic inal Chemistry 8 (2000), p. 393-404の方法を参考に合成した。
アルゴン雰囲気下, 2−アミノベンゼンチオール(2.50g、20.0 mmol)、 2-ブロモ−3−メチルペンタ酸 エチルの合成(4.91g、22.0 mmol)および微粉末の炭酸カリウム(3.59g、26 mmol)をDMF(20 mL)中、室温で1時間、120℃で6時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、 酢酸エチルで抽出した。有機層を水、 飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1から4:1の濃度勾配)により精製し,2.30gの固体(収率52%)、mp 104〜105.5℃を得た。
1H-NMR(CDCl3)δppm: 8.01(br, 1H) ; 7.33-7.31(m, 2H) ; 7.17-7.14(m, 1H) ; 7.02-6.98(m, 1H), 3.31(d, 0.8H) ; 3.19(d, 0.2H) ; 1.92-1.60(m, 1H) ; 1.57-1.21(m, 2H) ; 1.02 (d, 3H) ; 0.90(t, 2.4H) ; 0.86(t, 0.6H)
<工程3> 2−(ブタン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(化合物No. B−79)の合成(工程B)
Figure 0006497808
US5998400の方法に従い合成した。
3,4−ジヒドロ−2, 2−ジメチル−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン(0.58g)と3−ブロモキノリン(0.94g、3.00 mmol)をDMSO(3 mL)に溶解し、ヨウ化銅(1) (0.06g, 0.3 mmol)および微粉末の炭酸カリウム(0.25g, 3.00 mmol)を加え、175℃で7.5時間加熱撹拌した。放冷後, アセトンを加えた後、不溶物をろ別し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1から3:2の濃度勾配)により精製し, 0.67gの固体(収率70%)、mp 123〜126℃を得た。
1H-NMR(CDCl3)δppm: 8.78(S, 1H) ; 8.20(d, 1H) ; 8.14(S, 1H) ; 7.86-7.80(3H) ; 7.64-7.61(m, 1H) ; 7.42-7.25(m, 2H) ; 6.66(d, 1H), 4.12(d, 1H) ; 1.74-1.26(m, 3H) ; 1.39(d, 0.4H) ; 1.17(d, 1.2H) ; 1.12(d, 1.2H) ; 1.09-0.94(m, 3H)
<工程4> 2−(ブタン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−1λ4,4−(キノリン−3−イル)−2H−1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン(化合物No. A−153)及び2−(ブタン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1λ6,4−(キノリン−3−イル)−2H−1,4−ベンゾチアジン−1, 1, 3−トリオン(化合物No. A−154)の合成(工程A)
Figure 0006497808
2−(ブタン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3−オン (0.40g、1.15mmol)をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、氷冷撹拌下m-CPBA (0.43g、2.54 mmol)を加えた。反応液を氷冷下で1時間, さらに室温で4時間撹拌した後, 冷やした10%チオ硫酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウムで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1から0:1の濃度勾配)により精製し、ジオン体として0.20g(収率9%) mp85〜97℃の アモルファス及びトリオン体として0.04gの固体(収率48%)mp 79〜91℃を得た。
A−153:1H-NMR(CDCl3)δppm: 8.78(S, 1H), 8.18(d, 1H), 8.14(S, 1H), 7.88-7.78(m, 3H), 7.62(t, 1H), 7.40(t, 1H), 7.30-7.25(m, 1H), 6.66(d, 1H), 4.15-4.11(m, 1H), 2.19-1.71(m, 1H), 1.67-1.26(m, 2H), 1.21(d, 0.5H), 1.12(d, 0.5H), 1.04-0.93(m, 3H)。
A−154:1H-NMR(CDCl3)δppm:8.77(S, 1H), 8.23(d, 1H), 8.14(S, 1H), 8.06-8.03(m, iH), 7.81-7.89(m, 2H), 7.75(t, 1H), 7.53(t, 1H), 7.47(t, 1H), 4.18(d, 1H), 2.34-2.22(m, 1H), 1.94-1.84(m, 0.5H), 1.78-1.32(d, 1.5H), 1.13(d, 1.5H), 0.99-0.96(m, 3H)。
本発明の代表化合物を下記表1に例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるもとではない。
表1中及び下記に示す式中、No. は化合物No.を示し、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Pr」はプロピル基を、「i−Pr」はイソプロピル基を、「Bu」はブチル基を、「i−Bu」はイソブチル基を、「s−Bu」はsブチル基を、「t−Bu」はt−ブチル基を、「Pen」はペンチル基を、「Hex」はへキシル基を、それぞれ示す。
表1中、物性として示した数値は融点(℃)である。これら化合物は、前記合成例の製造方法に基づいて合成することができる。
一般式[I]
Figure 0006497808
表1
Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808
一般式[II]
Figure 0006497808
表2
Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808

Figure 0006497808
物性欄にオイルまたはアモルファスと表記された化合物については1H-NMR(400MHz, CDCl3)δを測定した。測定結果を以下に示す。
A-26: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.76(s, 1H), 8.17(d, 1H), 8.09(s, 1H), 7.95-7.85(m, 1H), 7.64(s, 1H), 7.46-7.35(m, 1H), 6.61(d, 1H), 4.08-4.17(m, 1H), 2.35-2.25(m, 1H), 2.16-2.02(m, 1H), 1.36(t, 3H)。
A-102: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.82(s, 0.5H, 8.77(s, 0.5H), 8.12-8.16(m, 2H), 7.86-7.81(m, 2H), 6.72-6.66(m, 1H), 7.50(t, 1H), 7.35(t, 1H), 6.72-6.62(m, 1H), 4.32-4.28(m, 0.5H), 3.93-3.82(m, 0.5H)), 2.96-2.75(m, 0.5H), 1.67-1.42(m, 1H), 1.10-0.97(m, 6H)。
A-157: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.82(S, 1H), 9.19(S, 1H), 7.83-7.80 (1H, d), 7.90-7.04 m, (6H), 6.66 (d, 1H), 4.18-4.10 (m, 1H), 2.05-1.89 (m, 0.5H), 1.21 (d, 1.5H), 1.23 (d, 1.5H), 1.08-0.82 (m, 3H)。
A-171: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.83(S, 0.2H), 8,76(S, 0.8H), 8.22-8.13(m, 2H), 8.88-7.81(m, 2H), 7.44-7.36(m, 1H), 7.10-6.94(m, 1H), 6.49-6.40(m, 1H), 3.91-3.83(m, 1H), 2.79-2.67(m, 0.9H), 2.10-1.87(m, 0.1H), 1.87-0.84(m, 8H)。
A-179: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.79(S, 0.25H), 8.75(S, 0.75), 8.26-8.12(m, 2H), 8.09-8.80(m, 3H), 7.75-7.57(m, 1H), 7.37-7.11(m, 1H), 6.66(d, 1H), 4.12(S, 1H), 1.26(S, 1.85H), 1.21(S, 7.15H)。
A-180: 1H-NMR(CDCl3)δppm: 8.80(S, 1H), 8.23-8.17(m, 2H), 7.90-7.74(m, 3H), 7.67-7.60(m, 1H), 7.42-7.35(m, 1H), 7.32-7.21(m, 1H), 6.62(S, 1H), 4.10(S, 1H),1.10(S, 9H)。
A-183: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.80(S, 1H), 8.15(S, 1H), 7.92(d, 1H), 7.61-7.27(m, 5H), 6.63(d, 1H), 4.10(S, 1H), 1.17(S, 9H)。
A-231: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.78(S, 1H), 8.21(d, 1H), 8.19-8.14(m, 1H), 7.83-7.79(m, 3H), 7.68(t, 1H)), 7.40(t, 1H), 6.67(m, 1H), 4.16-4.10(m, 1H), 1.93-1.75(m, 1H), 1.61-1.40(m, 4H), 1.24(d, 0.39H), 1.22(d, 0.35H), 1.23(d, 0.26H), 0.88-0.82(m, 3H)。
A-283: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.82(S, 0.5H), 8.78(S, 0.5H), 8.22-8.16(m, 3H), 7.86-7.80(m, 3H), 7.42-7.38(m, 1H), 7.32-7.25(m, 1H), 6.69-6.64(m, 1H), 4.28-4.24(m, 0.5H), 8.82-3.80(m, 0.5H), 2.42-2.35(m, 0.5H), 2.25-2.15(m, 0.5H), 2.05-1.77(m, 1H), 1.75-1.57(m, 4H), 1.44-1.35(m, 4H), 0.92-0.87(m, 1H)。
A-284: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.75(S, 1H), 8.19(d, 1H), 8.11(S, 1H), 7.84-7.67(m, 2H), 7.64(t, 1H), 7.40(t, 1H), 7.32(t, 1H), 6.70(d, 1H), 4.35-4.05(m, 1H), 2.29-2.18(m, 1H), 2.17-1.98(m, 1H), 1.86(t, 3H)。
B-14: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.70 (s, 1H), 8.17 (d, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.78-7.73 (m, 2H), 7.60 (t, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.06-7.01 (2H, m), 6.50-6.47 (m, 1H), 3.56-3.53 (m, 1H), 2.13-2.08 (m, 2H), 1.80-1.69 (m, 2H), 1.15 (t, 3H)。.
B-66: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.70 (s, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.84-7.73 (m, 2H), 7.60 (t, 1H), 7.46-7.41 (m, 1H), 7.07-7.03 (m, 2H), 6.65-6.45 (m, 1H, 3.70-3.66 (m, 1H), 1.98-1.84 (m, 2H), 1.64-1.59 (m, 2H), 0.98 (t, 3H)。
B-68: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.74 (s, 1H), 8.10 (, 1H), 7.62-7.45 (m, 3H), 7.0607.04 (m, 2H), 6.48-6.46 (m, 1H), 3.45 (d, 0.5H), 3.38 (d, 0.5H), 2.49-1.63 (m, 2H), 1.54-1.33 (m, 1H), 1.17 (d, 1.5H), 1.10 (d, 1.5H), 1.05-0.98 (m, 1.5H), 0.92-0.84 (m ,1.5H)。
B-88: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.69 (s, 1H), 8.17 (d, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.86-7.80 (m, 2H), 7.66-7.56 (m, 1H), 6.97-6.86 (m, 1H), 6.80-6.63 (m, 1H), 3.48 (d, 0.5H), 3.42 (d, 0.5H), 1.95-1.71 (m, 1H), 1.59-1.31 (m, 1H), 1.17 (d, 1.5H), 1.12 (d, 1.5H), 1.05-0.97 (m, 1.5H), 0.93-0.85 (m, 1.5H)。
B-118: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.93 (s, 1H), 8.80 (d, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.82-7.72 (m, 2H), 7.60-7.52 (m, 1H), 4.47-4.40 (m, 1H), 7.07-7.00 (m, 2H), 6.46-6.51 (m, 1H), 3.41 (d, 0.5H), 3.36 (d, 0.5H), 2.05-1.74 (m, 1H), 1.59-1.26 (m, 4H), 1.17 (d, 1.5H), 1.17 (d, 1.5H), 0.87 (t, 1.5H), 0.87 (t, 0.5H) 。
B-144: 1H-NMR(CDCl3)δppm:8.70 (s, 1H), 8.17 (d, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.84-7.72 (m, 2H), 7.76-7.54 (m, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H), 7.26-7.02 (m, 2H), 6.50-6.47 (m, 1H), 3.61-3.59 (m, 1H), 1.74-1.58 (m, 2H), 1.53-1.46 (m, 1H), 1.44-1.24 (m, 4H), 0.88 (t, 3H)。
次に製剤例を示す。なお、部は質量部を表す。
製剤例1 乳剤
本発明の化合物(10部)、キシレン(60部)、N−メチル−2−ピロリドン(20部)及びソルポール3005X(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、東邦化学工業株式会社、商品名)(10部)を均一に混合溶解して、乳剤を得た。
製剤例2 水和剤−1
本発明の化合物(20部)、ニップシールNS-K(ホワイトカーボン、東ソー・シリカ株式会社、商品名)(20部)、カオリンクレー(カオリナイト、竹原化学工業株式会社、商品名)(50部)、サンエキスP−252(リグニンスルホン酸ナトリウム、日本製紙ケミカル株式会社、商品名)(5部)及びルノックスP−65L(アルキルアリルスルホン酸塩、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)をエアーミルにて均一に混合粉砕して、水和剤を得た。
製剤例3 水和剤−2
本発明の化合物(20部)、ニップシールNS-K(20部)、カオリンクレー(50部)、ルノックス1000C(ナフタレンスルホン酸塩縮合物、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)及びソルポール5276(非イオン性界面活性剤、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)をエアーミルにて均一に混合粉砕して、水和剤を得た。
製剤例4 フロアブル剤−1
予め混合しておいたプロピレングリコール(5部)、ソルポール7933(アニオン性界面活性剤、東邦化学工業株式会社、商品名)(5部)、水(50部)に本発明の化合物(20部)を分散させ、スラリー状混合物とし、次にこのスラリー状混合物を、ダイノミル(シンマルエンタープライゼス社)で湿式粉砕した後、予めキサンタンガム(0.2部)を水(19.8部)によく混合分散させたものを添加し、フロアブル剤を得た。
製剤例5 フロアブル剤−2
本発明の化合物(20部)、ニューカルゲンFS-26(ジオクチルスルホサクシネートとポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルの混合物、竹本油脂株式会社、商品名)(5部)、プロピレングリコール(8部)、水(50部)を予め混合しておき、このスラリー状混合物を、ダイノミル(シンマルエンタープライゼス社)で湿式粉砕した。次にキサンタンガム(0.2部)を水(16.8部)によく混合分散させゲル状物を作成し、粉砕したスラリーと十分に混合して、フロアブル剤を得た。
次に、本発明の化合物が殺菌剤の有効成分として有用であることを試験例により示す。なお、本発明の化合物は、表1に記載の化合物番号で示し、比較対照に用いた化合物は下記の化合物記号で示す。
Figure 0006497808
試験例1:キュウリ灰色かび病に対する試験
播種8日後のきゅうり苗(品種:相模半白節成)の胚軸を2cm程度残して子葉部分を切り取った。32cm×24cm×4.5cm(たて×よこ×高さ)のプラスチックケースの底部に水で十分に湿らせたペーパータオルを敷き、ペーパータオルの上に網を置いた。この網の上に、上記の切り取った子葉を灰軸切断面が湿らせたリードペーパーに接着するように並べた。その子葉の中心部に、胞子懸濁液(胞子濃度:1.0×106個/ml)を50μlずつ滴下し、直径8mmのペーパーディスクを乗せた。前述した方法で所定濃度に調製した薬液をペーパーディスクの上から50μlずつ滴下した。プラスチックケースに蓋をしてビニールテープで密閉した後、室温20℃で72時間保持した。その後、以下の基準に従い発病の程度を発病度別に調査し、下記の式に基づき防除価を算出した。
発病度0(無発病)、発病度6.25(わずかに侵入痕がみられる)、発病度12.5(ペーパーディスク内直径5〜8mm程度病斑伸展)、発病度25(ペーパーディスクの周り2mm程度まで病斑伸展)、発病度50(ペーパーディスクの周り5mm以上10mm未満病斑伸展)、発病度100(ペーパーディスクの周り10mm以上病斑伸展)
防除価(%)= [1−(処理区発病度/無処理区発病度)]×100
化合物番号A−25、A−26、A−51、A−52、A−75、A−76、A−101、A−102、A−127、A−128、A−153、A−154、A−157、A−158、A−171、A−179、A−180、A−183、A−197、及びA−231の化合物は、処理濃度100ppmにおいて90%以上の防除価を示した。比較化合物Bは同濃度において63%の防除価に止まった。
試験例2:キュウリ灰色かび病に対する予防効果
所定濃度の薬液をきゅうり子葉期苗(品種:相模半白節成)の葉表と葉裏に2ml/ポットの割合でスプレーガンを用いて散布した。散布翌日、所定濃度の胞子懸濁液(1.0×106胞子/ml) を葉裏に噴霧接種した。接種後は温度20℃、湿度100%で保持し、2日後に発病度を下記の病斑面積率に基づき調査した。無処理区の発病度と処理区の発病度から、下式に基づき、防除価を算出した。
発病度0(病斑面積率:0%)、発病度6.25(病斑面積率:0〜6.3%未満)、発病度12.5(病斑面積率:6.3〜12.5%未満)、発病度25(病斑面積率:12.5〜25%未満)、発病度50(病斑面積率:25〜50%未満)、発病度100(病斑面積率:50%以上)
防除価(%)= [1−(処理区発病度/無処理区発病度)]×100
表3
Figure 0006497808
上記表3に示した通り、本発明化合物のA−153は化合物Aに比べ高い予防効果を示した。

Claims (2)

  1. 下式[I]
    Figure 0006497808
    (式中、Rは水素原子またはC1〜C6のアルキル基を示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4のアルキル基、C2〜C6のアルケニル基、C2〜C6のアルキニル基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のアルキルチオ基、C1〜C6のアルキルスルフィニル基、C1〜C6のアルキルスルホニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アシル基またはカルボキシル基を示し、Yは、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基またはC1〜C4のアルコキシ基を示し、m は0〜4の整数を示し、n は0〜6の整数を示し、pは1又は2を示す。)で表される、1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン誘導体。
  2. 請求項1に記載の1,4−ベンゾチアジン−1, 3−ジオン又は−1,1, 3−トリオン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺菌剤。
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